医師が解説DOCTOR COMMENTARY

医療脱毛のリスク
タオルでコロナ感染

コロナ患者さんのタオルを
もし使ったらどうなるか?
もちろん、感染してしまう
可能性があります。

美容クリニックがタオルの使いまわしを行っていたら?医師が解説します。

医師 丸本 桂三

目次

POINT01

美容クリニックで
タオルを使いまわしている!?


美容クリニックでは様々な場面でタオルを使います。そのタオルを使いまわしているクリニックが結構あるということです。
もしかしたら、使いまわしをしないクリニックのほうが少数派なのかもしれません。

美容クリニックではタオルを大量に使います。
たとえば、あおばクリニックではジェントル脱毛の場合、炎症防止のためにタオルで冷やします(メーカーからの必須ではないために冷やさないクリニックもあると思います)。
顔の脱毛の際にはタオルを巻いて髪の毛が外に出ないようにします。ベッドにタオルを敷いている医院もあります。
大量のタオルを使用するためにクリーニング代だけでも莫大な額がかかっております。さらに冷やしタオルを用意したり、ベッドのタオルを替えたりなどにも、かなりの額の人件費コストがかかります。

元々は「清潔に受けていただきたい」ということで施術ごとに洗濯したタオルを使うようにしていました。
私自身が「使いまわしのタオルを使われたくない」と思うほうなので、患者さんにも清潔に施術を受けていただきたいと思って、常にキレイなタオルを使用するようにさせていただきました。

ところが、ある美容クリニックチェーンでは「汚れたら交換する」という方針だと聞いて、びっくりしたのです。それで、別の有名な脱毛クリニックのことも聞いたら、たとえば、ベッドに敷くタオルは「1日1回の交換」という決まりだということでした。

いくつかのチェーンしか聞いておりませんが、聞いたところは全てタオルの使いまわしをしているということでした。

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POINT02

タオルは使いまわして良いのか?
=コロナ時代の美容クリニック


コロナ前でしたら、タオルを使いまわしても、単に不潔なだけなのかもしれません。

しかし、コロナ時代になってからは、タオルの使いまわしでコロナ感染のリスクが出てきます。

コロナウィルスですが、アルコールや洗剤で不活性化することが可能です。
ですので、コロナウィルスが付着したタオルも洗剤で洗って水で流せば感染のリスクがなくなります。

他のお店と違って美容クリニックは医療機関ですので、コロナウィルス感染に関しては出来る限り防止するべきだと思います。なので、タオルの使いまわしは止めるべきでしょう。

全身脱毛で患者さんがうつ伏せになられる時、ベッドの端をつかまれますので、あおばクリニックでは毎回、その部分のベッドの裏側をアルコール消毒するなど出来る限りの感染予防に努めております。
その感覚からすると、他の美容クリニックの実態には本当にびっくりしてしまいました。

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POINT03

タオルの使いまわし対策


まずは、全てのタオルについて洗濯済みのものを使っているのかどうかを確認するべきです。
もし、洗濯済みでないものを使っている場合、体や髪の毛にウィルスが付着している可能性があるので、
・家に帰ったらすぐに石鹸などで体や髪の毛などを洗う。
・それまで、なるべく手を口に持って行かない。
などの注意をすることである程度リスクを減らすことが出来ます。

タオルの使いまわしをしている医院が「使いまわしをすぐに止める」というのは、なかなか難しい面があります。
まず、洗濯のコストがバカにならないくらいかかるのですが、それは支払えばいいだけかもしれません。
ただ、交換に非常に手間がかかり、その分、人手が余分に必要になります。今、人手不足ですので、そこのところはなかなかすぐに改善できないのかもしれません。

コース契約だと、「タオルの使いまわしをしている」と分かっても続けざるを得ないので、その場合は上に書いたような感染予防の注意をしてリスクを減らすようにしてください。

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医療脱毛についてその他のポイントはこちら

文責
医師 丸本 桂三
(あおばクリニック技術統括アドバイザリー)
経歴
昭和62年3月 東京大学医学部医学科卒業
昭和62年6月 東京大学医学部附属病院勤務
平成23年 みずのクリニック(現あおばクリニック新宿院)アドバイザリー就任

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